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あなたの思い描く「ゲイ」のイメージはどこまで正確なんだろう?

現在観測 第38回

◆議員まで翻弄するメディア発信の偏向イメージ

    ゲイについての誤解は他にも様々あるけれど、最近の代表的なところは「面白い」か「気の毒」の2パターンである。個人的には、最近とみに悪化した感が強いのだが、それはつまり「このどちらかの方向からゲイを取り上げるメディア(主としてテレビ)が急増した」ってことだろう。

    大衆というのは基本的に不勉強で、未知の何かに遭遇した際も、あまりちゃんと調べたりはしない。テレビでチラッと観た程度の知識で「全てを理解した」なんて早合点しがちだ。だから、前述のような誤解がまかり通ってしまうのだ。

    まぁ一般人ならば、そうした怠惰もまだ許せる。許せないのは議員バッジを付けてる不勉強人である。昨今、各地の議会でゲイがらみのトンチンカン発言をして糾弾されるセンセイが急増中だが、それらはどれもテレビ仕込みの薄っぺらな知識が暴走した結果なのです。

    不勉強議員が失言を吐くたびに「許せん!」と抗議運動に走る当事者がいる。いや、侮辱されたことに対して怒るのは悪いことじゃないんですよ。でも、必要以上に激しく怒るというのはいかがなものだろうか。

イラスト/ソルボンヌK子

    僕は以前、知り合いのライターから「ゲイの人って怖いんですよねぇ。こっちが悪意なく放った言葉が地雷ワードだったりすると、問答無用でキレたりするんで…」と言われたことがあるのだが、いやはや面目ない。

 

    明確な悪意に基づく暴言ならば「なんだ、この野郎!」となってもいいと思う。でも、失言が「無知に起因するもの」だったら、そこはきちんとレクチャーしてあげればいいだけの話である。

  何がカンにさわったのか説明もせず、ただやみくもにキレてるだけじゃ、我々と世間との溝がますます深まるだけ。それはつまり、自分で自分のネガティヴキャンペーンをしてるみたいなものなのである。

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竜 超

りゅう すすむ

1964年、静岡県生まれ。2011年7月、日本初のゲイ商業誌(現在はインディーズマガジン)『薔薇族』の二代目編集長に就任。「性」「生」「政」の3大テーマに取り組む通俗作家。著書に『消える「新宿二丁目」』『虹色の貧困』(共に彩流社)、『オトコに恋するオトコたち』『町中華とはなんだ』(共に立東舎)がある。



 


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